読み書き引きこもり

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Levi's 2014春コレクション・メンズに学ぶ、春らしさのカラーコーディネート

リーバイスのルックブック(カタログ)が、いい感じです。
2014年春版が公開中です。


総じて三つのことが言えると思います。

きれいめカジュアル
スタイルの方向性はきれいめカジュアル。
個性が際立つようなものではなく、誰にでも受け入れられやすいものです。
この点、EDWIN傘下にあるLeeの、プレッピースタイルと比べるとよく分かります。

春は淡い色
8人の男性モデルが登場しますが、みんな何か淡い色のものを身に着けて春らしさを演出しています。

濃い色とのハーモニー
淡い色はそれだけだと、ぼやけた感じになります。
濃い色の服とミックスすることでメリハリがつきます。
淡い色が主役になったり、スーパーサブになってモデルを引き立てています。



①パステル調のジャケット


ジャケットとシャツは色使いが同じですが、シャツの方がトーン(色調)が濃いです。
トーン違いでコントラストがついています。

ジャケットの緑のアクセントがシャツのボーダー(横縞)と合わさって、あたかもジャケットが大柄のボーダーにみえます。

髪、顔、シャツ、パンツ、靴を縦に見ると、茶緑白のボーダー状になっています。

全体の面積比では白が一番大きいですが、ジャケットの袖の緑、胸のベージュと合わさると、体の中心ラインが白、その外側にベージュ、さらにその外側に緑が並ぶ5本のストライプ(縦縞)になります。

このコーディネートは縦軸と横軸がボーダーになったりストライプになったり、複雑な構造をなしています。
仕組みが分からないと真似できませんね。
とてもおしゃれです。



②ベージュのベルト


大胆な白と微妙な青の濃淡で、全身青に立体感が出ていますが、それだけではボンヤリした地味な印象です。
明るい青と、暗い青の間に、抜け感のあるベルト一本を挟むことで、これがアクセントカラーになって全体が締まります。
こういう配色をセパレーションというそうです。

顔と服とベルトが合わさると、上からベージュ、青、ベージュ、青、ベージュ、青の順にボーダーになってきれいです。



③薄い水色のパンツ


青系のシャツと、水色のパンツのグラデーション(諧調)。
こういう類似色(同じような色相)で、明るさ(明度)によって差をつける手法を、トーン・オン・トーン配色というそうです。
これが縦軸になります。

一方、ジャケットや靴を足して見てみると、上半身が濃い色、下半身が淡い色でコントラストをなしています。
靴が薄い茶色なのは、下半身をまとめたいからです。

青と黄色は補色(色相環上で相互に向かい合う位置にある色。反対色)で、相性がよいです。
スウェーデンの国旗や、家具のイケアの色使いです。
ただ、服の色使いとしては、ちょっとけばけばしい。
そこをジャケットの内側の濃紺が中和しています。
濃紺であるのは、表地の黄色とは補色の関係、青チェックのシャツとはトーン・オン・トーンで、どちらともバランスがとれるからです。

白い帽子は、ジャケットの黄色、シャツの青と合わさると、きれいなトリコロールになり全体が華やいでみえます。



④青い短パン(左)


もともと濃くない青ですが、ダメージ加工のほつれやペンキで、益々白っぽくなっています。
この淡さに合わせて、白いバッシュ、白地のTシャツ。
Tシャツの濃紺の柄がアクセントになっています。

左と右は、組み合わせの仕組みがちょっと違います。
左は同系色に近い青の濃淡、すなわち明度の違いでコントラストをつけています。
一方、右は青と紫がかった青の色違いでまとめています。
この2色は光スペクトルや色相環では隣同士。
似ているため相性がよいです。



➄薄茶色の靴


ジャケット、ベルト、靴は同じ系統の色です。
オレンジの明度を下げると茶色になるから。
明度を下げるとは暗くなる=黒くなることなので、絵具だと黒を混ぜると分かります。

黒いサングラスと白いパンツの関係も同じです。
真っ白の明度をゼロにするとまっ黒になります。

ということで、このファッションは、上半身と下半身で、濃い色、淡い色の明度に差をつけることでコントラストをつけています。
これだけでも十分きれいで見栄えするのですが、もう一色、ジャケットと同じトーンのくすんだ(彩度を下げた)青のシャツを合わせています。
青とオレンジは補色の関係に近いので相性がよいのですが、どぎつい。
鮮やかさを抑えたことで馴染んでみえます。

一見、色使いが多そうですが、オレンジ、青、無彩色のトリコロールで、明度や彩度を上げ下げして変化をつけています。



⑥ベージュのパンツと、薄灰のスニーカー


上下を色の濃淡(明度)で分けることでメリハリをつけています。
黒い髪、黒い袖に対して、薄いグレーのスニーカーです。
オレンジの絵柄に対して、薄いベージュです。

オレンジを淡くすると(明度を下げる)と、ベージュに近い色になります。
ということは、絵柄のもう一つの色である水色を基準にするなら、パンツは白っぽい水色にするときれいに春らしくまとまるでしょう。



⑦ベージュのジャケット、クリーム色のバッグ、水色のベスト


上下を色の濃淡(明度)で分けています。
淡い色のジャケットとバッグに対して、濃い茶色の靴。
白いシャツに対して濃紺、もしくは黒のパンツ。

横軸では、ジャケットのベージュ、バッグのクリーム色、白シャツでグラデーションをなしています。

アクセントになっているのが鮮やかな水色のベストです。
この鮮やかさはベージュの淡いかんじとも、パンツの濃い色とも、シャツの白ともコントラストをなしています。

春らしさの演出の仕方で、このベストだけ他とは違うように思います。
淡い色ではなく、はっきりした、どこかしらおもちゃっぽい青。
ここだけ浮いたような感じですが、これがミソなのでしょう。

もし、ベストの色を変えるとしたら、ジャケットのベージュに溶け込んでしまうような色は向いてないでしょう。
黄色、オレンジではなく、赤、緑で同じような効果がだせると思います。
グレーなら、テイストが違いますが、きれいにまとまると思います。



⑧やや薄い赤のスニーカー


右の女性も赤い靴ですが、男性のに比べて濃い色使いです。
これは着ている服の差です。
二人とも白と青ですが、男性は青を基調に濃い色使い、逆に女性は白を基調に薄い色使いです。
色の濃淡(明度の高低)でコントラストをつけるのに、男性は靴に、女性はシャツに淡い色をあてがっています。
男性は靴に、女性はシャツに春をまとっているという感じです。

参考サイト:
青山学院大学 田辺ゼミナール>ゼミ生>カラーノート>配色のコツ
カラードリームネット>配色の作法
IROUSE>色彩の調和

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