読み書き引きこもり

書く練習をかねて。

アメリカで一番ものが売れる日、ブラックフライデーの歴史と興奮を調べてみた

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この時期のアメリカは凄い。
クリスマス商戦が始まったから。
https://youtu.be/D_KwxvGnq5o

感謝祭の翌日は、ブラックフライデー

クリスマス商戦はこういう流れになっている。

10月31日のハロウィーンが終わると、店内はクリスマスの飾りつけに置き換わってゆく。

ハロウィーンとクリスマスの中間点が、11月第4木曜日のサンクスギビングデー。
サンクスギビングデーは収穫を神に感謝する日。
初期の移民、ピルグリム・ファーザーズの影響からアメリカではとくに盛ん。
この日は祝日で、家族や親戚が集まって楽しく過ごす。
日本のお正月のような雰囲気がある。
七面鳥のクランベリーソース添えとか、いわれのあるご馳走が並ぶ。
それにあやかって、サンクスギビングデーセールがある。

そして、その翌日が、みなさんお待ちかねの大大大セール日だ。
ブラックフライデーと異名をとる。
クリスマス商戦初日のこの日、最近ではアメリカで一年のうち最もモノが売れる。
http://www.shoppertrak.com/shoppertrak-reports-positive-response-early-holiday-promotions-boosts-projections-2010-holiday-seaso

ブラックフライデーなんていうと、株価暴落?と思いがちだが、この場合は逆。
これまで赤字であったが、この日を境に黒字に転じるとの意味のようだ。

昨年は、この一日だけで推定総売上高が110億ドル。
1ドル100円とすると1兆1000億円!
どこが不景気だよと言いたくなる。

ちなみに二番目の日もだいたい決まっていて、クリスマス直前の土曜日。
俗にスーパーサタデーと言う。
昨年は北東部が100年に一度の大雪にみまわれた。
ワシントンDCの普通道路をスキーヤーが通り過ぎてゆく姿が斬新で楽しそうだったけど。
交通麻痺と停電と出不精で、小売業にとっては痛かった。
小売業売上高の少なくとも1/4はこの地区が担っているので。
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704376704574605820236262190.html?mod=WSJ_hpp_LEFTTopStories

クリスマス商戦は、ブラックフライデーからクリスマスイブまで。
小売業は、11月と12月で年間売上高の1/4を稼ぐが、この1か月が突出して高い。
景気の強さをみる指標にもなっている。

ちなみに、店内で最も流れる曲はジングルベルで、2位はホワイトクリスマスらしい。
http://holiday.icsc.org/2006/hw06_fullguide.pdf

始めは皮肉まじりの流行語

いつ頃からブラックフライデーが言われるようになったのかは、よく分からない。
新聞記事で一番古いのは、1975年のニューヨークタイムズらしい。
東海岸のフィラデルフィア市の警察とバスの運転手が、「クリスマスセールの買出し、大学アメフト観戦に伴う交通事故、軽犯罪の増加」に対して、忙しさのあまり皮肉まじりにブラックフライデーと言っているとある。
フィラデルフィアでは、ちょっとしたはやり言葉になっていたようで、転じて小売業界が良い意味で使うようになる。
90年代になるとマスコミがこの業界用語を普通のニュースで頻繁に使うようになり、一般名詞化したという説がある。
http://www.latimes.com/news/opinion/commentary/la-oe-antonio-blackfriday-20101126,0,6934224.story
http://motherjones.com/kevin-drum/2010/11/black-friday

いずれにせよ、全国レベルでみんなが言うようになったのは、ここ20年内のことのようだ。

サンクスギビングデーの日は、クリスマス商戦の都合で変えられた

サンクスギビングデーと、クリスマス商戦の関係には興味深い歴史がある。
サンクスギビングデーは1938年までは、11月最終木曜日だった。
リンカーン大統領の1863年を皮切りに、慣習的に大統領がその日にすると毎年宣言していた。
ところが、39年に小売業の業界団体が、「今年は第5週の30日になるからクリスマス商戦に影響する。日程をずらしてほしい」とロビー活動をした。

その頃の常識では、サンクスギビングデーの前にクリスマスセールの飾りつけをするなんて非常識だった。
かといって慣習に従えばクリスマスまでの週末が例年より一回少なくなるため、売り上げが落ちる。
折りしも、アメリカはこの年に至っても大恐慌から立ち直れないでいたものだから、フランクリン・ルーズベルト大統領は要望を受け入れる。
「今年は最終週の第5木曜日ではなく、第4木曜日にする」と宣言。
これが世論の反発を食らうものの、41年に現行の法律が制定。
木曜日が5回あった56年に、テキサスが最終週に拘ったのを最後に、新しい慣習として定着する。
http://en.wikipedia.org/wiki/Black_Friday_(shopping)

ルーズベルトは景気刺激策として祝日を移動させたわけだ。

そこまでさせるほど激安

ここ数日、アメリカのマスコミはどこも買い物客を追っかけている。
人気商品の筆頭はテレビとおもちゃかな。
店でいうと、ウォルマート、ターゲット、トイザラス、メイシーズ辺りが絵になるらしい。
ウォルマートは売上高世界最大のスーパーマーケット、ターゲットは大手ディスカウントストア、トイザらスは子どもが大好きなおもちゃ屋、メイシーズは映画『三十四丁目の奇蹟』で舞台となった大手百貨店。

ブラックフライデーは特別で、店は夜中の3時や4時から開く。
それまで客は外で震えながら列に並ぶ。
ライバルを出し抜くには何日も前から並ばないといけない。
ドアが開いたら、ダッシュ!それを待ち構えるテレビカメラ!
実際、目玉商品は猛烈に安い。
7割引き、8割引きの人気商品が並ぶ。
4時オープンで昼12時までのタイムサービス、商品が無くなり次第終了とか、そういう売り方をする。

ちなみに、行列のあった場所にはペットボトルが落ちていたりするが、その中身はジュースとは限らない。
オシッコだったりする。
マナーがいいのか、悪いのかw

拍車がかかるクリスマス商戦

オンラインでもやっているが、こっちも激戦。
週明けの月曜日に、サイバーマンデーだ。
歴史は浅く、5年前から言われ出した。
小売業界がブラックフライデーの次の月曜日にオンラインショッピングが好調であることに気づき、それに乗っかった形。
マスコミがこぞって取り上げたため、早くも定着した。

こういう「特別な日」は増える傾向にある。
フリーシッピングデーは2年前にクーポンサイトが始めた。
スモールビジネスサタデーは、小規模店を応援しようと今年アメリカンエクスプレスが始めた。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/11/26/AR2010112604310.html

なんで大人も子どもも金曜日の深夜に?仕事は?学校は?と不思議に思うが、木曜のサンクスギビングデーから日曜まで会社も学校も休みが多い。

ブラックフライデーは、最近ではカナダ、イギリス、オーストラリアでもはやらそうと当地の小売業者が取り組んでいるが。
日本でも目だった動きはあるんだろうか?

34丁目の奇跡
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