読み書き引きこもり

書く練習をかねて。

読書メモ:平成史

平成史

気になったところをφ(..)メモメモ。
多すぎて全部書けないので、全7章のうち最初の3章だけ。
中間団体の弱体化と、それに関係する話で緩くつながっている感じ。
後半の4章は個別の話。

1章 バブル崩壊

バブル崩壊の行きついた先。
『東京タラレバ娘』。
そこで描かれていたのは生活保守主義。

桶川ストーカー事件がおきたのが99年。
翌年に「ストーカー規制法」が制定された。
ストーカーは新しい人種ではなく、それを止めていた家族や共同体が壊れたと考えるべきなのかもしれない。
コミュニケーション不全な人間はいつもいるけれど、それを管理し制御することが社会にできなくなった。

2章 オウム

ルターはドイツ農民戦争で「権力に反抗する農民をできるだけ早く殺せ」と指導した。
権力に刃向かって傷ついた魂は復活できないから、魂が傷つく前に殺せ、という論理。
そのロジックはオウムのポアに活かされている。
大量虐殺やテロは単なる恨みや辛みから行われるのではない。
背景には必ず全人類救済事業のような思想がある。

破防法を適応せず、解散までには追い込まなかった。
そこが日本のインテリジェンス能力の高さ。
解散させたところで、非合法に残って地下に潜ったはず。
それなら、合法的な組織として残し、行動や全体像を把握した方が賢明。
反社会勢力の非合法化が逆効果なのは歴史が証明している。

モンテスキューは『法の精神』で民主主義を担保する存在が、教会やギルドなどの国家と個人の間に位置し、個々を束ねる中間団体だと言っている。
民主主義を担保するのは三権分立ではなく、中間団体だと。
しかし、法の支配を徹底した結果、あいまいな存在や中間団体が排除され、法に縛られない掟の領域や慣習の世界を認めない窮屈な社会になってしまった。

かつては大きな力をふるった労働組合や宗教団体などの中間団体が崩壊したり機能不全に陥ってゆく中で、創価学会は集票力を保ち続けた。
他がダメになっていく中で、創価学会は相対的にかえって以前よりも強みをもったのだ。
公明党の強さはここにある。

3章 小泉劇場

破壊を続けて、熱狂的瞬間を連鎖させてゆく。
これが今の政治モデルの原型である小泉劇場。

小泉内閣が様々な組織を破壊した結果、支持政党もイデオロギーも持たない人が増え続けた。
こうして自ら生みだした無党派層を煽って「神風」を吹かせた。

六本木ヒルズには、何かおきれば公共インフラに頼らずに生きていけるよう、自家発電と地下水のくみあげ装置がある。
戦争はともかく災害を想定してのことだろう。
だが、格差社会が広がったとき、ヒルズは憎しみのシンボルになる。
そう考えると、低層階にはUR、高層階には富裕層向けに売り出している東急に代表されるディベロッパーのやり方は利口だ。

公安警察によるとJR東日本では、革マル派が浸透しているとされるJR東労組が労働者を守っているからムリな仕事をさせないし、過密ダイヤも組ませない。
だから事故が起きない。
実際、311では、JR東の乗員、乗客に死者は一人もいなかった。
運転士や車掌は電車を放棄して乗客と高台に避難した。
会社のマニュアルを無視して、自分と乗客の安全を最優先にして行動したそうだ。
しかし、福知山の脱線事故をおこしたJR西日本は労組が弱い。
脱線事故は会社が定めた過密ダイヤに合わせようと、運転手がスピードを出しすぎてカーブを曲がり切れなかったのが原因。
中間団体である労組の機能が弱まった結果、使用者側の利益追求の姿勢に歯止めがかからなくなって起きた事故と言えるかもしれない。

郵便局は1円も税金を使ってない組織だった。
郵便事業は赤字だったが、簡保と郵貯でまかなっていた。
郵政公社の職員の給与も税金から支払われていなかった。
だが、親方日の丸で安定している上、税金でいい暮らしをしているとんでもない連中だというでたらめなイメージを連日、発信し続けた。
小泉は国家に実害がない郵便事業を官営から民営にすることで、小さな政府を実現させるんだと国民に思い込ませた。
郵政解散はまさに中間団体の破壊、反知性主義に支配された選挙だった。

中間団体とは

中間団体の弱体化とバラバラになった個人の危うさは、バブル崩壊後に言われるようになったように思う。

中間団体とは「国家と個人の中間にある団体」を指す。
今の日本で言えば、労働組合や商工会議所、農協、漁協などの職業団体、各種NPO、地域のコミュニティー、宗教団体など。
社会に多様な価値があることを保障し、ひいては国家主義的な暴走を食い止める役割を果たすと言われている。

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