読み書き引きこもり

書く練習をかねて。

書評:細木数子 魔女の履歴書(★5つ)

細木数子 魔女の履歴書 (講談社+α文庫)

金の亡者

僕は占いもスピリチュアルも、わりと好きな方です。
でも、細木和子は別です。

前々から、とてもウサンクサイ人物だと思っていました。
占いがというより、人間性が信用できない。
というのも、この人、占いや先祖供養でひとの道を説きますが、この人自身はといえば、ホストクラブでの豪遊、高価な宝石の購入、豪邸の建設など自慢話に事欠きません。
現世利益の、その利益の在り様が、この上なくゲッスイのです。
こんなひとに、ひとの道を説く資格があるのでしょうか?
地獄へ落ちるわよ!って、その啖呵、何様のつもりでしょう。

本書を読んで、納得がいきました。
この人、いえ、コイツと言った方が適切でしょう。
ゲッスイどころか悪党です。

生い立ちには同情する面があります。
でも、この人の場合、残念ながら苦労が徳に繋がりませんでしたね。
嘘で固めた人生であり、金の亡者です。

盗用とこじつけの霊感商法

ひとに家庭内のもめごとにアドバイスしますが、当人は兄弟や親戚から孤立しています。
おかしな話です、占いの効果やいかに。

そもそも、インチキなのですから、大したことありません。

六星占術の中身は、その道の権威からの盗用。
自分ではちゃんと占う実力はありません。

また、彼女がことさら言う先祖供養やお墓と、六星占術は本来なんの関係もありません。
ヨーロッパの人に先祖供養という概念は一般的にないんだから。
二つを引っ付けたのはこの人。
土台がおかしいのです。

墓石を売る会社と宗教法人の幹部は、自分の事務所の幹部が兼任しています。
文句や疑問をいえば、「あなた地獄へ落ちるわよ(怒)」です。
霊感商法じゃないですか?

ついに明かされた、島倉千代子さんのこと

もう読み進まずにいられない、興味津々の本書ですが。
ひとに紹介するさいに、エピソードを一つだけあげるなら歌手の島倉千代子さんのことでしょう。

島倉さんを借金獲りからかくまうと嘘をついて、しっかり絞り取りました。
島倉さんといえば、若い頃は美空ひばりさんと人気を二分するほど人気があり、今も第一線で活躍されており、さぞや財産を残してらっしゃると思いきや…。
島倉さんの借金の背後にこの人がいたとは。
今まで恐ろしくて誰も公然と書けなかった真実が明らかにされています。

他にもいろいろあります。
痴呆症を煩う、元保守派の大物を絞り取りました。
暴力団とズブズブで、30年ほど連れ添った内縁の夫は組長でした。
この本の元になった週刊現代の連載を、広域暴力団の元最高幹部に頼んでもみ消そうとしました。

芸能人がこの人にひれ伏すのは演出上のお約束だけではなく、暴力団、しかも幹部クラスに人脈があることが業界内の公然の事実だからでした。
共演者で自分を通したのは、渡哲也さんぐらいなもの。

名誉棄損で6億円の茶番劇

そして、本書に直接かかわることです。
もともとこの本は、週刊現代の連載記事でした。
出版元の講談社に対し、この人は連載差し止めと名誉毀損で6億円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。
6億円ですよ!!
非常識な額にぶったまげますが、それにも増して訴えたい相手に著者が含まれないとは。
法廷で証言されて困るのはこの人ですからね。

この不可解な裁判は、直接的にはこの人が出演していた番組の延命工作と言われています。
すべての番組を降板後、裁判所の和解に応じて訴訟を取り下げました。

この記事、および本書が出たおかげで、それ以降、現在にいたるまでこの人のテレビ出演はめっきり減りました。
著者の溝口さんは、テレビ界に君臨した視聴率の女王を、頂点から引きづり降ろしたわけです。

それでもKKベストセラーズは、よいしょする

しかし、この人の本は、今でも毎年変わりなく、KKベストセラーズから、年に一度出ています。
この出版社、いったいどういうつもりなんでしょう。
その蜜月ぶりも本書に登場します。
いやはや、金の力ってね…。
彼らはマスゴミと言われてもしょうがありません。
買ってはいけない、『六星占術による〇星人の運命(平成〇〇年版)』です。

著者サイト

溝口敦の仕事(著者の公式サイト)
http://www.a-mizoguchi.com

本書では、ノンフィクションライターの溝口敦さんの力量が光ります。
この人は暴力団など、闇社会の取材に定評があります。

おススメ度(満点)

文句なしの満点です。
決定版、細木数子ですね。
ペンは武器だなと実感しました。
★★★★★

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