読み書き引きこもり

書く練習をかねて。

ひきこもりの気を引く、自助会・支援組織のウェブサイトの作り方

夜明けのファミリーマートを遠くから撮った写真

せっかく、行政の取り組みで支援組織を作ったのに。
無料なのに。
利用者が思ったほど集まらないという声を、ある人から聞きました。

マジメにやってるのに、なぜ人気がでないのか?

ちょっとした事例研究を元に、一般的に言えることを勝手に考えてみました。

切り口は「感性」。
ウェブ担当者向けです。

この通りやったからといって成功するとも限らないし、これが一番の方法というわけでもありません。
また、どのようなひきこもり(自室ひきこもりなのか、それよりも軽めの社会的ひきこもりなのか)を対象にするのかでも変わってくると思います。
これは、どちらかといえば、軽めの人、男女混成の会向けです。
そのつもりで読んでください。

なお、筆者は三つの自助会に参加経験がある当事者です。
この3年間で、50名ほどの当事者と知り合いました。

ニーズを探るには

もし、あまりにも参加者が少なく、固定化されているのなら。
どうしたら人が集まるのか、その人達にきいても有効な答えは返ってこないかもしれません。
なぜなら、その人達の感性は、平均的に好まれるものからずれているかもしれないからです。

もし、その人達がウェブサイトを見て来る気になったのなら、その他大勢の見ても来る気にならない人達との差はなんなのかを考えてみるべきです。

別にその人達がダメとか言っているわけではありません。
何が好きか嫌いかは個性であって、ひとがどうこういうものではありません。
しかし、マーケティング的に考えると、ターゲット層の多数に何がウケるのかを意識しないわけにはいけません。

ひきこもりの感性を知る

人を集めるには、対象となる人の感性に合わせることが大切だと思います。

ひきこもりは、誰でもなる可能性のある「状態」です。
原因は人によって様々。
対人コミュニケーションに苦手意識のある人が少なくないようですが、そういう人を含めても、たいていはいわゆる普通の人、普通の感性の持ち主ではないでしょうか。

普通の感性の人が好きなもの、嫌いなものをザックリあげてみます。

  • 好き
    カッコイイ、メジャー、美しい、面白い、楽しそう、気楽、ためになる
  • 嫌い
    ダサい、マイナー、エキセントリック、怪しい、権威的、幼稚、堅苦しい

一見、当たり前のことですが、ウェブサイトのデザインが、ここでいう嫌いに属していることは往々にしてあります。
ひきこもり=まじめでおとなしいとは限りませんし、たとえそういう人でも、ダッサイなぁというものには興味を示しがたいでしょう。
センスのないサイトに普通の20代、30代はなびきません。

お!っと、思わせるものがあるか

おそらく、たいていのひきこもりにとって、自助会や支援組織に足を向けることはそこそこ勇気のいることだと思います。
それでも、参加してみたいと思わせるような情報やイメージってなんでしょう。

それは、次の五つに集約されると思います。

①臨場感

説明調すぎると魅力に欠けます。
きちっとした説明はもちろん必要ですが、そればかりではどうも堅苦しい。
ここはそういう雰囲気なんだなと受け取られるでしょう。

定例会や行事の様子を写真付きでのせているから大丈夫?
それ、ときどき更新してますか。
代り映えしなければ鮮度が落ちます。
いま何をしているのか、どういう人が運営しているのか、どういう人が集まっているのか、ビビッドに伝えたいところです。

②ポジティブ

普通の人が好きなことって、どれもポジティブです。
ポジティブであれば、初めて参加するときの怖さは半減するでしょうし、そんなところに行く自分のプライドが許さないという気持ちもあまり起こらないと思います。

カッコイイ、美しい、面白い、楽しそうであれば何でも構いません。
ひきこもりの会というのは、ちょっと忘れましょう。

ただし、あまりリア充、パーティーピーポー感の強いものはマズいです。
ついていけないと取られるかもしれません。
ひきこもりは、もともとにせよ一時的にせよ、内気な人がわいあい多いですから。
そのへんの匙加減がいります。

何がいいのかは、例えば写真なら被写体がどうというよりは映りのほうが大事かなと思います。

話なら、笑えるかだったり、感心させられるかだったり、キュンキュンくるかだろうし。

ジャンルとしては、料理、ファッション、雑貨、旅行、デジタル機器、車、アニメ、漫画、音楽、映画、スポーツ、街ネタ、面白ネタ、芸能人、季節といったところでしょうか。

③気楽とハレ

精神的に追い詰められてたり、感情を押さえつけてたり、焦燥感でいっぱいだったり、ひきこもりの心中は何かと暗いもんです。
そして、もううんざりでしょう。
自分がひきこもりであることを隠さずに、気楽に雑談できたり、笑えたり、リラックスできたらどんなに心が休まるでしょう。

例えば、その会が、ただ喋るだけのお酒も呑む大人のサークル風であれば、遊びにいったり呑みに行ったりする機会に乏しいひきこもりにとっては大きな魅力となります。
そういうことをしない会なら、有志でもうけるのも手です。

マジメなところをアピールするのは当然ですが、人は楽しいことに惹かれるもの。
楽しいことこそ大いにアピールすべきです。

④便益

ひきこもりは、この状況に安住してはいられない、なんとかせねばと常に思っているものです。
もし、何か役立ちそうな情報をアップできれば、当事者にとって強い味方です。
ひきこもり関連の会合やセミナー、本、新聞記事、テレビ番組など、ネタはいろいろあるはずです。
そういうものを、ちょこちょこ織り交ぜていくと、楽しさとまじめさが程よくミックスされてとっつきやすくなります。

⑤仲間

自分がひきこもりであることを恥じていても、同じような境遇の人と知り合えることで孤独が癒されるでしょう。
でも、もし会話に入っていけないなら、逆に自信を失うことになります。

せっかく勇気を出して行ったのに、コミュに―ケーション力の差に傷ついてしまったというようなことは、しばしばおこります。

コミュニケーション力が低い人でも、会話に入っていける、孤立しないで済むような取り組みがなされている。
毎回ある程度の参加者がおり、常連ばかりで占められていない。
たとえそうでも、フォローがある。

こういった取り組みがあり、公表されていれば、参加をためらう気持ちが和らぐはずです。

また、女性もいると分かれば、たいていの男性にとっては琴線に触れることでしょう。
ひきこもっていると出会いのチャンス、というよりも、しゃべる機会すらなかなかありませんから。

他方、ひきこもりは男性に多いんで、女性にとっては居心地がよさそうな体制かどうかは気になるところです。
女性目線の情報を加えるべきです。

メインとサブ、ウェブサイト構築のポイント

ウェブサイトを二つに分けます。

  • メインサイト
    正しく正確に、伝えるべきことをきっちり書く。ここがちゃんとしてないと何のことやら分かりません。
  • サブサイト
    感性に訴える。なんらかの快楽があってこそ、好きになったり参加してみようと思うものです。

共通

①スマホの閲覧性が高いこと

今や名だたるウェブサイトが、PCからスマートフォンユーザー優先の設計に変わってます。
なぜスマホが大事かというと、当サイトの総アクセス数の7割近くがスマホであると言えば十分でしょう。
一般的なサイトで、スマホを想定しない作りはありえません。

メインサイト

①基本的な情報が網羅されていること

開催日時や場所などは別として、ほとんどは頻繁に更新しなくてもよい、いつ誰がみても必要不可欠な情報を全てここに集めます。
ここをしっかりやれば、サブサイトでわざわざ補足する必要がなく自由にやれます。

②こってなくてもよいが、ダサいのは✕

ウェブサイトのデザインは服装のセンスと似たようなものです。
シンプルで当たり障りのないもので十分。
デザイン力がないのに奇をてらって作るのはリスクがあります。
親しみやすさを考えるあまり、お役所風だったり、お年寄り相手かと思わせるような幼稚なものになってしまうと、普通の20代、30代は引いてしまいます。

サブサイト

料理にたとえるならメインサイトがお皿で、サブサイトは盛り付け。
気楽に閲覧できるか、継続的に情報発信できるかがポイント。
以下、三つすべて無料で使えます。

①ミニブログ

ツイッター、インスタグラム、タンブラーなど。
(ものによって、出来ものと出来ないものがあるが、)画像、動画、音声、文章をリアルタイムでちょこちょこあげられるメディア。
やるほうも見る方も手軽なのがウリ。
制限があるので、込み入ったことには向いてません。

毎日継続的にやれるかどうかが壁です。
義務的にやるにはキツイかと。
それでも、何人かで手分けすれば楽しめるかも。

②ライブストリーミングやポッドキャスト

個人でラジオのような放送が手軽にできます。
生放送でも録音でも。

参加者の特技や好き、悩みや希望の話はコンテンツとして十分魅力的です。
問題は、面白い話、興味深い話として引き出せるか。
うまい聞き役がいるかどうかです。

生ならいざしらず、長時間録音したものをそのままアップしても聞く方にとっては冗長です。
もちろん、パーソナリティーが魅力的なら別ですが。

全体としてはイマイチでも、面白い部分だけ、3~5分ぐらいの長さで切り出すという手があります。

③ブログ

雑多なことを、まとまりをもった形で提示できます。
ミニブログでは書ききれないことに向いてます。
文章力がいるし、書くのに時間がかかるので手軽とは言えません。
また、臨場感という点で上の二つに劣るでしょう。

SEO対策は不要という強み

SEO対策(Search Engine Optimization)とは、検索結果で当該サイトが上位にくるように工夫することです。

例えば、当サイトは幾多ある同類サイトと常に競争関係にあるので、一人でも多くの人にアクセスしてもらうには、なにか工夫せねばなりません。
構造に気を遣って作るのはもちろん、想定読者に向けて有益な記事を連発せねばなりません。
もっと楽に成果を出すには、お金を払って小細工するという手もあります。

ひきこもりの自助会や支援組織は、そのような競争環境には置かれてません。
なぜなら、非常にユニークだからです。
田舎の県にいけば、全県で一つあればいい方だったりしますから。

「ひきこもり+自助会+地名」と打てば、大概その地域の自助会が1ページ目にくるでしょう。
当事者が調べる気さえあれば、すぐに見つけてもらえる状況はものすごい強みです。

開設して間がなかったり、どこからもリンクが張られてなかったり、ページ数がとても少ないといったことであればその限りではありませんが。
そういうときは、行政の関連ページや、ひきこもり関連のポータル的サイトにリンクしてもらえないかお願いしてみるとよいでしょう。